公園のピエロ!!
先日、生まれ育った街を歩いていて、ふと懐かしい思い出が頭に浮かんできました。
小学生くらいまでいつも遊んだ公園。
真ん中に砂場があって、その中央にあった、ピエロの遊具のこと。
公園と言っても、下町の家と家との隙間の土地を使ったような場所で、走り回るほどの広さはなかったように思いますが、ブランコやら、滑り台やら、鉄棒やら、高度成長期の大人たちは狭い敷地にしっかりと詰め込んでくれていました。
空の記憶もあまりないので、やはりきっと狭い公園だったのでしょうね。
そんな公園の、砂場の中にあった、ピエロの遊具。
コンクリートでできた丸いピエロの顔、大きく開いた口から中に入れて、中で砂遊びなんかもできます。
高さは1,5m近くあったでしょうか?小学校低学年の頃にはずいぶん大きくも見えましたが。
目にあたる穴が二つ開いていて、それが窓の役割になっています。目は右と左で形が違って、右はまん丸、左は三角。
鼻はほぼまん丸な球体のコンクリ。耳も似たようなデッバリ、そして、三角帽子のようなのが頭からぴょんと突き立っています。
小学校高学年の兄ちゃんたちは、その鼻に片手をかけ、目に足をかけ、丸い頭にもう片方の手を這わせながら、ピエロの上に登ってしまうのです。
すごい。
そして三角帽子を頼りにしながらピエロの頭に立ち上がって、気持ち良さそうに公園を見渡しています。
かっこいい。
低学年だった私には、ピエロの鼻にも目にも、手さえもかからない。
手も足も出ない、とはこんなこと。
ただただ、兄ちゃんたちに憧れる日々でした。
少し身長が伸びてきたある日、同級生のイモサン(今村くん)がとんでもないことをします。
そう、突然ピエロの登ってしまうのです。
「すげえ!イモサン!登れた!」
大尊敬です。だって兄ちゃんたちと同じことをしてしまうのだもの。
まさにヒーローです。
「すごいなあ!よく登れるなあ!」
私と、一緒にいたオオツカ(大塚くん)は大絶賛しておりました。
ところが次の瞬間、オオツカがとんでもないことをしでかします。
なんと、オオツカもピエロにチャレンジして、ほどもなく登ってしまったのです。
「すごいなあ!オオツカも登れるんだ!!」
私は一人、下で感動しています。イモサンとオオツカはキラキラした目でピエロの上から公園を見晴らしています。
あれ?
さっきまで、イモサン一人だけ登っていた時は、イモサンはヒーローだったけれど、オオツカまで登ってしまうと、二人がヒーロー、なんじゃなくて、私だけ出来ない子?
小さな心に襲いかかる妙な劣等感。
いかんいかん、登らにゃ、ボクも!!
ところが焦りもあってか、まだ私の身長が足りていなかったのか、単なる運動オンチか、何度やってもうまくいきません。
ピエロの鼻に手がかからず、足を目一杯上げてピエロの目に足をかけても踏ん張るのが怖くて、あがれない。
何度か手を滑らせて、砂場にドン。
結局その日は登れず仕舞い。
よっぽど焦ったんですかねえ、別の日に、イモサンとオオツカを誘わずに公園に行きました。
なんだか今日みたいなどんより曇った秋の日だったように思い出されますが、それは私の気分がそうだったのかも知れません。
そして何度もチャレンジしました。
砂場にドン、を繰り返しながら。
不思議なもんで、出来るようになるのって、突然ですよね。
手足がうまくかかって、するりとピエロの頭に登りました。
そして三角帽子に抱きつきながら、見たこともない目線で景色を見ました。
なんとも言えない達成感。
そして爽快感。
降りるのが怖かったですが(笑)。
ふとそんなことを思い出すと、昔は出来ないことだらけ。
考えてみれば、人はもともと、生まれた時には全てが出来ないことだったんですものねえ。
それをずいぶん頑張って、出来るようになってきたんだなと。
自転車に乗ることだってそうでしたね。
そんな風に、今もチャレンジしているかなあ、と。
1度や2度、上手くいかないと諦めてしまったり。
自分には向いてないと思ってしまったり。
人の評価を気にしてしまったり。
ひどい時には、出来ない自分を否定してしまったり。
もっとひどい時には、挑戦することすらしなかったり。
いかんいかん、も一度しっかり、ピエロの鼻に手をかけよう。
人生の挑戦って、たいていの場合は、落ちても砂場。
ですよね。
今日もイイ日に。
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